植物状態の場合の慰謝料

後遺障害認定ある日突然、愛する家族が交通事故に遭い植物状態に陥ってしまったとしたらと考えると恐ろしいものですが、現実的には悲しみだけではなく経済的な負担も背負わなければならなくなります。そんな時に考えるのが植物状態に陥ってしまった場合の慰謝料です。

交通事故に遭い、植物状態つまり遷延性意識障害の診断が下されると後遺障害1級に認定されます。後遺障害1級は後遺障害の等級の中でも最も重い等級です。この障害は被害者だけでなく今後介護を行っていく家族にも大きな負担がかかります。

遷延性意識障害は,交通事故の後遺症の中でもきわめて重篤な後遺障害のひとつであり,被害者の方だけではなく,介護を行うご家族にも多大な苦痛や負担が伴うことになります。

植物状態の人が後遺障害1級の認定を受けるためには、自分の意思で後遺障害の申請をすることができないため申請などの処理を行う成年後見人を家庭裁判所から専任してもらう必要があります。本人が未成年の場合は家庭裁判所の専任なく、法定代理人である保護者が後遺障害の申請を行うことができます。また後遺障害の申請には加害者側の保険会社が行う事前認定と被害者やその代理人が行う被害者認定があります

後遺障害認定の申請には専門的な知識や適切な書類の準備などが必要になりますが、植物状態の申請となるとその手続きはさらに複雑になります。専門家である弁護士に相談することで適切なアドバイスを受けることができ、本人や介護者の負担を軽くすることができます。


植物状態とは

植物状態交通事故で頭部に損傷を受け、脳が変形すると昏睡状態に陥ってしまいます。脳の機能に障害が起こり、呼吸や循環、消化機能は正常に働いていても、自力での移動や食事、排泄などはできず、目で物を追っても認識することができない、声を出すことはできるが意味のある発語ができない、意思の疎通ができないという状態が3ヶ月以上続くと植物状態と診断されます。植物状態は遷延性意識障害と呼ばれており、重度の昏睡状態を指す症状です。脳死と植物状態を混同している人もいますが、脳死は意思の疎通だけではなく呼吸や循環など生きるために必要な働きを司る脳幹を含む脳全体の機能が失われた状態であり、植物状態は呼吸や循環などの機能は残った状態で生存している状態です。

植物状態と聞くと永続的な障害をイメージします。実際に植物状態に陥った患者が一年以上回復をしない場合は病状は恒久的とみなされ、回復の見込みはないと考えられてきました。しかしごくまれに患者が回復し、意識レベルを回復することもあるので、交通事故の後遺症として認められるのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。何十年も植物状態だった患者が意識を取り戻したというニュースを耳にすることもあり、病状は恒久的ではない場合もあります。


交通事故の後遺症

一時的なケガだけではなく、後々にも症状が残る後遺症の不安があるのが交通事故です。後遺症は交通事故の被害に遭ってケガをした場合に治療を完了しても機能障害などの症状や傷痕が残ることを言います。交通事故の後遺症としてはケガは治ったものの身体に障害が残っている、治療が終わった後に残った症状、治療を続けたが感知せず、症状改善の見込みがないものなどがあります。医療機関で半年間治療しても症状の改善が見られないと、医師が症状固定と判断し、後遺症となります。その後後遺障害診断書が発行され、自賠責で後遺障害と認められると、後遺症に関する慰謝料の請求もすることができるようになります

後遺症交通事故の後遺症としてよく挙げられるのがむち打ちです。医療機関では頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷性頸部症候群と呼ばれています。めまいや頭痛、肩こりや吐き気、倦怠感などが主な症状です。この他にも精神の障害や関節の機能障害、上肢や下肢の機能障害などがあります。目に見える障害だけではなく、目に見えない障害もあることから、交通事故後はすぐに病院に行くことが大切ですし、万が一後遺症が残ってしまった場合は後遺障害として認定されることで今後の生活も大きく左右されます

交通事故の後遺症の中でも最も重いものとしてイメージすることができるのが植物状態ではないでしょうか。ある日突然、家族が交通事故に遭い植物状態になってしまったとします。周囲の悲しみは計り知れないものであり、この他にも後遺症として認められるのか、慰謝料の請求など様々な不安がつきまといます。そこでここでは交通事故で起こる障害の中でも最も重いと考えられる植物状態について説明させていただきます。